おじさん世代向けHipHop入門講座(その⑤)価値感を覆すニュースクール勢

音楽

『ネイティブ・タン(Native Tongues)』

1989年
ヒップホップ界に『ネイティブ・タン(Native Tongues)』というギャング的なものではなく、組織でもない 意気投合したヒップホップのグループ同士が集まったトライブ(部族)が新たなヒップホップをもたらしました

<中核となるグループ>
● ジャングル・ブラザーズ(Jungle Brothers)
● デ・ラ・ソウル(De La SOUL)
● ア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)

従来からのヒップホップ・アーティストと違い
✅ 中流階級出身で見た目に「いかつさ」が無い
✅ 首には太いゴールドチェーンも無く、ごつい指輪も無い
✅ ラップは会話形式でスラングを使わないユーモアのあるもの
✅ ポップ感覚もあって聴きやすい

ジャングル・ブラザーズのアフリカ・ベイビー・バムが
ファースト・アルバム『Straight Out The Jungle』リリース後にグループ同士の提携を提案

デ・ラ・ソウル(De La SOUL)

『ネイティブ・タン』としての最初のアルバム

3 Feet High & Rising / De La Soul

スティーリー・ダンの『Peg』をサンプリングするなど、「何をネタにしてもいいんだ」という革命を起こした

メロディアスな音楽によってヒップホップファン以外の一般人にも大いに受け入れられた

ジャングル・ブラザーズ(Jungle Brothers)

『ネイティブ・タン』としての2枚目のアルバム

Done By the Forces of Nature / Jungle Brothers

1:16~日本語が聴こえます

ア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)

『ネイティブ・タン』としての3枚目のアルバム

People’s Instinctive Travels and the Paths of Rhythm / A Tribe Called Quest

『Footprints』はStevie Wonder『Sir Duke』Donald Byrd『Think Twice』をサンプリング

本作の特徴は何といってもそのサンプリングソースの多彩さ

ジャズの要素を絡めた作品でヒップホップの歴史において重要アルバム

ブラック・シープ(Black Sheep

1991年シングル「Flavor of the Month」及びデビューアルバム『A Wolf In Sheep’s Clothing』をリリースした

A Wolf In Sheep’s Clothing/Black Sheep

女性ラッパーの活躍

ロクサーヌ・シャンテ(Roxanne Shanté)

1984年
『Roxanne’s Revenge』がニューヨーク界隈だけでも25万枚を超えるヒット「ソロ」の女性ラッパーの草分け的存在

ソルト・ン・ペパ(Salt-N-Pepa or Salt ‘N’ Pepa or Salt ‘N Pepa)


女性ラッパーとして初めて100万枚を売ったソルト・ン・ペパ

1987年:シングル『Push It』がヒット~アルバム『Hot,Cool&Vicious』がミリオン獲得

クイーン・ラティファ(Queen Latifah)

1989年:アルバム『All Hail the Queen』でデビュー

エムシー・ライト(MC Lyte)

80年代後半から第一線で活躍するヒップホップレジェンド 

ラナ・ミッシェル・ムーラー(Lana Michele Moorer)

1988年:アルバム『Lyte as a Rock』でデビュー
1989年:2ndアルバム『Eyes on This』リリース

ヒップホップ専門雑誌『The Source』創刊

1988年

ヒップホップ専門雑誌『The Source』が創刊された

『The Source』にはアルバム紹介のコーナーがあって【マイクの数(1~5本)】で作品を評価する

この採点は厳しく、満点(5本マイク)の評価はまず出なかった

「5本マイク」を獲得した作品は無条件で「名盤」と認められ同時にアーティストのステータスになる

客観的に評価する外部機関が現れたことによって「質の向上」に

おじさん世代に伝えたいこと

まず De La Soul 『A Roller Skating Jam Named “Saturdays”』 をお聴きください

イントロのInstant Funk『I Got My Mind Made Up』のサンプリングと印象的なスクラッチ

Tower Of Power『Ebony Jam』のドラムブレイク 

Mighty Riders『Evil Vibrations』の心地良いループを軸に

様々なネタが組み込まれたカラフルなトラック

これだけで楽しいパーティーの雰囲気が感じられ、そしてローラースケート

前例踏襲主義・固定観念・既成観念といった考え方はイノベーションの阻害要素でしかない

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