カルチャーやムーヴメントは ある1つの要素だけでは起こらずに 何かと結びついてこそ 爆発的に発生して流行になります
インターネットや携帯電話が存在しない時代には 音楽が カルチャーやムーブメントを引き起こし 新しいファッション 新しいビジネスを創造していきました
『ファッションを見れば その人がどんな音楽を好んで聴いているのかが分かる』
『その人が好んで聴いている音楽がわかれば 好むファッション傾向がわかる』
とも思えたほど 音楽とファッションの親和性は高かったのでしょう
しかし テクノロジーの進化 インターネット・スマホの普及によって 流行のキッカケが 多方面・多様化していって 音楽とファッションの親和性は低きなってきた気がしますが、、、
UKストリートスタイルは 時の流れとともに変質したり 原点回帰を繰り返しながら 現代のストリートスタイルにも大きな影響を与えているというのは 紛れもない事実です
1950年代~1960年代のUKストリートスタイル
大別すると 次の2つのスタイルでしょう
ロッカーズ系
1950〜60年代を中心に盛り上がったロックンロールを愛した バイクと革ジャンとブーツというワイルドなファッション・カルチャー
モッズ系
1960年代前半のブリティッシュロックやソウルを好むファッション・カルチャー
ロッカーズのルーツ
バイカーズ
1950年代前半にアメリカのカリフォルニアに登場した
バイカーズと呼ばれる集団がいたました
彼らは
- ダブル襟のライダース
- ロールアップしたジーンズ
- エンジニアブーツ
- Tシャツ
というスタイルで大型バイクで街を爆走
映画『乱暴者(原題:The Wild One)』
1953年公開の マーロン・ブランド主演の暴走族を題材にした映画(ホリスター事件を元に作成されたもの)
ホリスター事件とは?
1947年 独立記念日の週末に モーターサイクルクラブメンバー4000人が、カリフォルニア州ホリスターに轟音のバイクと共になだれ込み、信号無視を繰り返し、レストランやバーに押し入っては破壊行為を繰り返し、街に酷い混乱をもたらした (LIFE誌が1947年7月21日に報道)
この報道によって アメリカでは『バイクは野蛮な乗り物』『バイクもライダーも危険』というイメージが根付いてしまいました。
このLIFE誌の報道は 過剰な演出だったそうですが この報道によって 小説や映画の元になっていって 各方面に影響を与えていきました。
リーバイス501
劇中でマーロン・ブランドが着用しているのが リーバイス501XX
この映画によって 作業着であったジーンズを普段着とするようになっていったそうです
ライダーズ
ライダースも マーロン・ブランドが選んで着用したもので
【Schott】社の”One Star” というダブルのライダースと言われてきたのですが
幻のブランドとも言われる【Durable】社製 ”One Star” code33
という説が濃厚です
この革ジャンにデニム、ブーツというファッションが 英国の「ロッカーズ」に影響を与えて、
バイク乗りのスタンダードなファッションとして世界中に広がっていきました
ロッカーズ
- ライダースをスタッズやワッペンでカスタム
- 細身のストレートジーンズやブラックデニム
- ジーンズはロールアップではなく、ブーツインが基本
- 白いスカーフをなびかせるのが お約束
ロッカーズのライダースジャケットは イギリスの革メーカー「LEWIS LEATHER」や「PRIDE & CLARKE」が作った既製品
レザーは高級なので 合成皮革のモノを着ていたようですが
ロッカーズは バイカーズ・ファッションにアレンジを加えて 独自のスタイルを表現していました
テディボーイズ(”テッズ”)
ロッカーズよりも前にイギリスでは テディボーイズ(”テッズ”) という集団がいました
- ベルベットの襟と袖がついた着丈の長いドレープジャケット
- スリムなズボン
- 髪をポンパドールやリーゼント
- ラバーソール
このテディボーイズの多くは 1960年代になるとロッカーズに合流していき
ロッカーズが 若者の一大勢力になっていきました
モッズのルーツは 1950年代の”モダニスト”
1950年代の後半のイギリスでは イタリアンスタイルのファッションが流行
- オーダーメイドの細身のジャケット
- ボタンダウンシャツ
- 折り返しのない細身のパンツ
オーダーメイドの細身のジャケット
ボタンダウンシャツ
折り返しのない細身のパンツ
というスタイルで バーやクラブに集う若者が
”モダニスト” と呼ばれていたそうです
この”モダニスト”が好んで聴いていた音楽が ”モダンジャズ”
モッズとは?
1960年にイギリスでは徴兵制度が廃止となって 仕事で得た収入を ファッション・音楽・クラブ・バイク・ドラッグといった己の楽しみに費やすことで”モダニスト”を自分流に表現した若者たちが
”モッズ”と呼ばれるようになっていきました
ビートルズがイギリスの階級社会に一石を投じた
デビューをする前のビートルズは”ロッカーズ”です
しかし マネージャーであるブライアン・エプスタイン氏の指示によって、モッズファッションでデビューすることとなったらしいです
イギリスにおいては、中世の封建制度のもとで確立した身分関係としての「階級」が残存していて 近代の資本主義体制のもとで醸成された職業的・経済的な「階層」とともに共存していると言われています
この階級社会において ビートルズ が
『音楽に高級も低級もない。良い音楽は良い音楽』
ということ世界中に広めていった功績は凄い
1963年11月 王室主催の演奏会
♬ツイスト・アンド・シャウト♬ を演奏する前に ジョン・レノンが
次が最後の曲ですが、ひとつお願いがあります。安い席の人は手拍子をお願いします。そのほかの方たちは宝石をじゃらじゃら鳴らしてください
労働者階級の若者が 王室の人たちにジョークをかますなんて考えられないことだったそうです
モッズたちのファッションは?
- Vゾーンの浅い細身のテーラードスーツ
- ナロータイ
- フレッドペリーのポロシャツ
- 表革のローファー
- M-51パーカー
前髪を下ろしたモッズ・ヘアーでスクーター(ベスパ・ランブレッタ)にまたがるスタイルでクラブに集まっては 夜通し踊り 遊んでいた
モッズを象徴するミュージシャンは Small Faces でしょう
The Who も”モッズ”として語られていますが ♬My Generation♬ 以降のロジャー・ダルトリ―のファッションは全く”モッズ”ではないですね(笑)
さらに モッズがクラブで聴いていた音楽は?
モダンジャズ、スカ、そして マービン・ゲイ、シュープリームスといったモータウン系ソウルも好んで聴いていたそうです
「ブライトンの暴動」(スタイルウォー)
64年5月18日、イースター・バンク・ホリデイのブライトン
大勢のモッズのグル一プが デッキチェアーを振り回して 当時敵対関係にあった二人のロッカーズをプロムナードから4~5メートル下のビーチヘ突き落としたことが引き金となって 大乱闘へと発展
この事件をキッカケにして、モッズ=不良というイメージが世間に広く浸透していきました
新聞では この騒動を スタイルウォー と称しました。
その後 モッズのスタイルは変化
ポークパイハット
トップが低く平らな円筒形で独特のフチがあり、狭いつばがわずかにカールアップした帽子
リーバイスのスタプレ
64年 リーバイスコレクションに色落ちや経年変化が魅力のデニムと異なってどれだけ洗っても“変わらない”のがウリのステイ・プレスト(通称“スタプレ”)
スウェードのデザートブーツ
といったカジュアルめな モッズスタイルが増えていきました。
そして1960年代後半のモッズは タイトなルックスはそのままで
スキンヘッズ
坊主頭はshaven head skinheadsは反社会的な思想を持った人達を指す
- ドクターマーチンのブーツ
- ベンシャーマンのシャツ
- H型サスペンダー
と変化していきました
そしてディープなレゲエを聴くようになっていったのです
この流れが 1970年代の新しいムーブメントに繋がっていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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